2012年11月20日火曜日

乃美1・2号遺跡(10月18日)


約5カ月にわたる、乃美1・2号遺跡の発掘調査が終了しました。

遺跡の全体を上空から撮影(上:2号 下:1号)
2号遺跡を上空から撮影





2号遺跡からは、堅穴住居跡が5軒と掘立柱建物跡が2棟、その他柱穴が300基以上、土坑が100基以上、井戸が2基などが見つかっています。


1号遺跡SB1
 1号遺跡からは、住居跡が2棟と柱穴が約200基見つかっています。

乃美1・2号遺跡の時代は、弥生時代から中世にわたると考えられますが、遺物と遺構の関係などは、今後資料を整理して、詳しく調べていきます。

最後に、今回の調査にご理解、ご協力いただきました方々に、厚く御礼申し上げます。


2012年10月25日木曜日

発掘体験  乃美遺跡(9月12日)

今年も賀茂北高校2年生が発掘体験にきてくれました。

それに先立って、8月29日に「考古学と豊栄町の歴史」というタイトルで事前学習を行いました。


 

 9月12日には、遺跡の見学と発掘体験を行いました。9月とはいえ残暑が厳しかったです。




発掘体験では土器を見つけて歓声があがっていました。貴重な体験なので、いい思い出になってくれていればいいなと思います。




2012年9月7日金曜日

行摠1号遺跡(8月10日)

 調査開始から約1ヶ月が経ちました。毎日、暑さだけで体力が無くなっていくような気がします。みんな汗だくになりながら仕事をしていて、中には汗が滝のように滴り落ちる人も・・・
 写真1 作業風景

 現在、遺跡からは、11基の墓坑が見つかっています。その内8基は、板状の石を立てて箱形に組み合わせ、同じような石の蓋で覆った墓でした。これは箱式石棺と呼ばれるものです(写真2・3)。

写真2 蓋がされている状態


 写真3 蓋石をはずした石棺


 石の組み合わせ方はいろいろとありますが、頭の方を広く、足の方を狭く組み合わせる例が多く見られます。写真3では上の方がやや狭くなっているので、こちら側に足があったと考えられます。



 墓が作られた時期は、詳しくは分かりませんが、頭蓋骨の一部や貝製の腕輪が見つかっています。


2012年7月26日木曜日

行摠(ゆきそう)遺跡の調査が始まりました(7月17日)

7月から、高屋町杵原・高屋堀で発掘調査を開始しました。
調査範囲は約3100㎡で期間は12月までを予定しています。

(行摠遺跡の調査前風景)



(作業風景)
 

 調査開始直後に梅雨が明けて、いきなりの厳しい暑さと戦いながら作業を進めています。
遺構はまだ見つかっていませんが、遺跡の周辺で弥生土器や土師器が
見つかっていて、いろいろな発見があるのではないかと期待しています(^○^)v

 






2012年7月9日月曜日

乃美2号遺跡(7月6日)

乃美2号遺跡の発掘調査が始まって半月が経ちましたが、梅雨に突入したので作業は滞り気味です・・・

 前回お伝えした小玉に並ぶような物も発見されず、ひたすらに土を掘る日々が続いています。

 今回は、黙々と働く作業員のみなさんの姿を紹介・・・ではなくて、その下にある遺構についてちょこっと説明したいと思います。


 上の写真では、弥生時代の土坑(緑色で囲んだ黒い円形の部分)の上に、中世の溝状遺構(赤い線の間の部分)が走っているのが分かります。弥生時代の土坑には、たくさんの遺物が埋まっているかもしれません。今から掘るのが楽しみです。
 続いて上の写真は、黒くて深い穴(緑色で囲った部分)が弥生時代の土坑で、中央部を横切っている溝状遺構と、奥に向かって伸びている溝状遺構(赤い線の部分)が中世のものです。

 この2枚の写真から、乃美2号遺跡は弥生時代と中世の集落が重なり合った複合遺跡だとわかります。

 遺跡の全貌はまだまだわかりませんが、少しずつ紹介していきます(・∀・)ノシ

2012年6月19日火曜日

乃美2号遺跡の発掘調査がはじまりました

6月中旬より、豊栄町乃美でほ場整備に係る発掘調査が始まりました。

調査範囲は約2000㎡で、10月までの約5か月の予定です。

現在までに、堅穴住居跡、溝状遺構や土坑などが検出され、弥生土器、土師器、須恵器、土師質土器などが出土しています。



乃美2号遺跡作業風景



詳細は不明ですが、弥生時代と考えられる住居跡からガラスの小玉が出土しました。住居跡からガラス小玉が出土したのは、平成23年度の乃美1号遺跡に続き乃美遺跡群で2例目です。


ガラス小玉 出土状況

遺跡の詳細はまだよくわかっていませんが、進展があり次第ご紹介していきたいと思います。


なお、平成23年度の乃美1号遺跡から出土したガラス小玉などは、文化財センターで展示していますので、ぜひ実物を見にお越しください。

2012年2月14日火曜日

鏡山城跡へいらっしゃいませんか?

(城跡北側の伐採作業)






 文化財センターでは、平成22年度から史跡鏡山城跡の環境整備を行ってきました。昨年度は、1郭から5郭までの各郭と城の南北にある畝状竪掘群などの周辺を伐採しました。2年目の今年は、東西に延びる遊歩道付近を中心に伐採を進めてきました。




(ブールバール側から見た鏡山城跡の御殿場)




 伐採が終了した現在では、遠くから御殿場や2郭の姿をはっきりと見ることができます。また、今までは木に覆われていた堀切や竪掘などの遺構もよく観察できます。特に西側の1号・2号堀切はその大きさや急傾斜に驚かれるのではないでしょうか?












(西側第1堀切)



 これから、春に向けて暖かくなり、おでかけにはぴったりです。きれいになった鏡山城跡へぜひおいでください。