2010年9月27日月曜日

乃美3号遺跡(9月21日)

 今年の夏は、雨もなく非常に暑い日が続き、厳しい環境の下での現場でしたが、ようやく涼しい秋風が吹くようになりました。調査も終盤にかかり、 多くの成果を得ることができました。

 乃美3号遺跡では、4基の土坑から、ほぼ完全な状態で土師器(はじき)が見つかりました。

・高坏(たかつき)

 坏部のみで、脚部は無くなった状態で見つかりました。

・甕(かめ)や壺(つぼ)
 いずれも、古墳時代の土器です。
 この地で、古墳時代に人々が生活を営んでいたことを現代に伝えてくれています。

乃美3号遺跡(9月21日)

 下の写真は、乃美3号遺跡で見つかった竪穴住居跡(たてあなじゅうきょあと)です。 堅穴住居跡の上部が、後世に削られてしまっているため、ほぼ半分のプランしか確認できませんでした。

 大きさは、2.5×(2.8)mで、周囲をめぐる壁溝と2つの柱穴が見つかりました。

 堅穴住居跡からは、土器の破片が見つかっていますが、小片であるため、時代を特定することができませんでした。建物跡の時代については、周辺の遺構との関連から、おそらく古墳時代の建物跡ではないかと考えています。

 大きさが小規模であるため、住居というよりは、仮住まいもしくは作業場といった性格の建物だと思われます。

2010年9月3日金曜日

乃美3・4号遺跡(9月1日)

 乃美4号遺跡の調査に続き、乃美3号遺跡の調査を現在行っています。
 今日は、近くの賀茂北高校の2年生が遺跡に発掘体験にやってきました。
 9月とは思えない35度という猛暑のなかですが・・・ 土器を壊さないよう掘っている真剣な顔、土器を見つけて喜んでいる顔、暑さでバテバテの顔と様々でしたが、発掘調査の仕事の大変さや面白さをそれぞれに感じてくれたのではないでしょうか。

乃美3・4号遺跡(8月23日)

 乃美4号遺跡の発掘調査が終わりました。
 調査成果をご報告します。

 乃美4号遺跡では、下の写真のようにたくさんの小さな穴(柱穴:ちゅうけつ、はしらあな)と大きな穴(貯蔵穴:ちょぞうけつ)が見つかりました。
 貯蔵穴は上部が削られた状態でみつかっていますが、柱穴は十分な深さを持っています。貯蔵穴が機能していたときの地面を削って整地したのちに掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)を建てて、生活していたのではないでしょうか。

 掘立柱建物跡も貯蔵穴も、正確な時代は断定できませんでした。遺跡からは、古墳時代から江戸時代後期にかけての遺物が出土していることから、建物を建て替えたりなどしながら、古墳時代からこの土地で人々が生活を営んでいたことが推測されます。

 調査が終わった乃美4号遺跡は、今・・・
 遺跡は跡形も無くなってしまいました。新たに大きな田に生まれ変わるための工事が進んでいます。