2007年12月5日水曜日

外宮山城跡の発掘調査(12月5日)


細かい作業です・・・

 右上の写真をご覧ください。  
 発掘作業をしている人のまわりから、たくさんの石が出てきているのがお分かりになるでしょうか?
この後さらに石の輪郭がはっきり見えるように、まわりの土を竹べらや移植ごてなどを使って丁寧に取り除いていきます。しかし、取り過ぎると石が動いてしまうので、作業は少しずつ慎重に行われます。 寒い時期におけるこの作業は特に大変です。最近は、冷たい北風とともに小雨が降ったりで、じっとしていると体が冷え切ってしまいます。根気強さとともに寒さとも戦いです。  そして、丁寧に土を取り除くと右下の写真のような状況になりました。出てきた石群は、約3m×6mの範囲に広がっていましたが、何のために敷かれたものかは今のところはっきりしません。素焼きの鍋や擂鉢などが出土していて、14世紀後半ぐらいに造られたことがわかっています。  当初は、もう少し広い範囲に石が広がっていたと考えられますが、現在の道路によって削り取られて失われたものと思われます。    

2007年12月1日土曜日

堀城跡(11月30日)



堀城跡の調査終了!!

 堀城跡の調査は11月1日に始まり、11月27日で終了しました。今回の調査は山城跡西側の堀の一部を対象に行いました。(上の写真は西側尾根から撮影したものです。手前が調査部分、背後が山城本体です。)
 調査の結果、尾根をカットした堀の斜面を検出したほか、その西側で堀に並行するように南北方向に延びる溝状遺構やピット、性格不明の集石遺構などが見つかりました。(下の写真は山城本体側から撮影した堀の斜面です。)遺物は、中世の土師質土器(皿・鍋)や陶器(擂鉢)の破片や、鉄滓などが出土しました。
 これらのことから、山城の堀の外側でも同時期の遺構が広がっている可能性が考えられます。また、鉄滓の出土から周辺に鍛治関連などの遺構の存在も想定されます。このように今回の調査は1ヶ月足らずの短期間でしたが、城の時期や様子を窺う貴重な資料が得られました。