雨、すごかったですねぇ。
乃美地区でも、川が氾濫し、田や道路が冠水していました。あちこちで災害も起きており、被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。
調査区全体が水没し、遺構が部分的に崩れるなどしましたが、最小限の影響で済みました。
昔の人は、災害に遭いにくい場所を選んで生活していたのでしょうか?
こんなところにも先人の知恵が活きているようで、つくづく感心させられます。
2010年7月28日水曜日
2010年7月26日月曜日
御建遺跡(7月20日)
やっと梅雨明けしました!梅雨が明けたら猛暑が続き、現場でも熱中症にならないように、こまめに水分と休息を取るようにしています。みなさんも体調には気をつけてください。
(写真1)
さて、調査では、直径約2m、深さ約3.3mの石組みの井戸が見つかりました。(写真1)この井戸は、いろいろな大きさの石を使って、積み上げられています。
(写真2)
矢印で示した丸い石がわかりますか?(写真2)これは五輪塔(ごりんとう)と呼ばれる供養塔の一部です。五輪塔はインドが発祥といわれ、日本では平安時代の終わりごろから多くみられます。材質は石であることが多く、下の図のように、5個の形を組み合わせてつくられています。御建遺跡では上の空輪(くうりん)と風輪(ふうりん)を1つの石でつくった空・風輪(くう・ふうりん)と呼ばれるものが多く見つかっています。
『図録 歴史考古学入門辞典』より
この井戸に使われているのはほとんどが上から一番目の空・風輪と三番目の水輪です。丸い形は積み上げていくのに都合がよかったのかもしれません。
では、この石はどこから持ってきたのでしょう?今のところ、2つの意見があります。
①近くのお寺から参る人のいなくなった墓を壊して持ち出した。
②近所の石屋から失敗作をもらった。
①は遺跡のすぐ近くには「旦過寺跡(たんがじあと)」の伝承地があります。多少、罰あたりかもしれませんが可能性はあると思います。②は見つかった五輪塔の中に、「作っている途中に割れたのでは?」と思われるものがいくつかあるのでこれも可能性があります。
みなさんはどのように思われますか?
御建(みたて)遺跡(7月12日)
今回は、去年の調査区のすぐ西隣にある約150㎡の範囲を調査します。去年は、大きな溝のような遺構や日本酒の醸造に関連があると考えられるレンガ遺構など、中世から近代までの幅広い時代の遺構や遺物が見つかっています。
今回はいったいどんなものが見つかるのか?とても楽しみにしています。
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