やっと梅雨明けしました!梅雨が明けたら猛暑が続き、現場でも熱中症にならないように、こまめに水分と休息を取るようにしています。みなさんも体調には気をつけてください。
(写真1)
さて、調査では、直径約2m、深さ約3.3mの石組みの井戸が見つかりました。(写真1)この井戸は、いろいろな大きさの石を使って、積み上げられています。
(写真2)
矢印で示した丸い石がわかりますか?(写真2)これは五輪塔(ごりんとう)と呼ばれる供養塔の一部です。五輪塔はインドが発祥といわれ、日本では平安時代の終わりごろから多くみられます。材質は石であることが多く、下の図のように、5個の形を組み合わせてつくられています。御建遺跡では上の空輪(くうりん)と風輪(ふうりん)を1つの石でつくった空・風輪(くう・ふうりん)と呼ばれるものが多く見つかっています。
『図録 歴史考古学入門辞典』より
この井戸に使われているのはほとんどが上から一番目の空・風輪と三番目の水輪です。丸い形は積み上げていくのに都合がよかったのかもしれません。
では、この石はどこから持ってきたのでしょう?今のところ、2つの意見があります。
①近くのお寺から参る人のいなくなった墓を壊して持ち出した。
②近所の石屋から失敗作をもらった。
①は遺跡のすぐ近くには「旦過寺跡(たんがじあと)」の伝承地があります。多少、罰あたりかもしれませんが可能性はあると思います。②は見つかった五輪塔の中に、「作っている途中に割れたのでは?」と思われるものがいくつかあるのでこれも可能性があります。
みなさんはどのように思われますか?