7月から始まった遺跡の調査も無事、終了することができました。
調査では、井戸跡や柱穴のほか、ため池の跡が見つかりました。ため池の跡は調査することが少なく珍しい例といえます。 池からは幅約2mの溝が東へのびていました。検討の結果、昨年の調査区で見つかった溝の続きであることがわかりました。水は東から池に向かって流れていたようです。
調査によって明らかになったのは、ため池の南東隅の部分です。見つかった部分は、幅が東西3.5m、南北2.5mの範囲で、深さは約1.5mでした。
土手からは、当時生えていた草の痕跡や池に生息していたと思われる虫の死骸などが見つかりました。その他には、備前焼の甕や土鍋、青磁椀が出土したことから、池は16世紀半ばごろに埋め立てられたと考えられます。
(虫の死体)
また、木の葉や実も見つかりました。このような動植物の遺体からは、戦国時代の御建地域の自然が思い起こされます。
(池から出土した木の葉)