2008年8月25日月曜日

溝口4号遺跡(8月25日)


鎌倉時代のお墓を発

 溝口4号遺跡の発掘調査は順調に進んでいます。前回は火葬墓を紹介しましたが、今回も墓の発見がありましたのでご報告します。
 新たに見つかった墓は火葬墓の東にあります。この墓は火葬墓とは異なっていて、遺体をそのまま長方形の穴に埋めたものです。考古学ではこのような墓を土壙墓(どこうぼ)と呼んでいます。この土壙墓の中には、遺体と一緒に埋められた副葬品があり、土器の小皿と短刀が供えられていました。小皿と短刀は、遺体の頭の両側に置かれていました。短刀は約28㎝で、小皿は5枚重ねて置いてありました。土壙墓が造られた時代は鎌倉時代で、前回報告した火葬墓よりも前に造られたようです。

 この土壙墓で興味深いところは、小皿が何枚も重ねられて置かれていた事です。どういう目的で、同じような小皿を重ねたのかはわかりませんが、墓の主が「死の世界」で使う食器を家族の人たちが用意したのかもしれません。

 次回は弥生時代の建物跡について報告します。

※写真(上)が土壙墓の全体写真、(下)が重ねられた小皿。