調査から2週間が経過し、遺跡の性格が少しずつ見えてきました。調査区は2つあります。面積が大きな第1調査区、もう一つは面積が小さな第2調査区です。
第1調査区は北端の微高地から南端に向かって地面が少しずつ下がります。南半部には弥生~古墳~古代~中世の包含層が20㎝程度堆積していました。写真1は北端でみつかった、溝や穴が集中していた部分を南方向から写したものです。溝は2本切り合っていました。1本は近世、もう1本はそれより古い溝です。穴の埋土から施釉陶器片が見つかりました。
写真2は陶器が見つかった場面です。中世のものと考えられます。他にはいくつかの柱穴が検出されています。
写真2は陶器が見つかった場面です。中世のものと考えられます。他にはいくつかの柱穴が検出されています。
第2調査区は東端から西にかけて緩やかに地面が少しずつ下がります。現時点で3本の溝と柱穴がみつかっています。写真3は調査区の中心を通る溝を、東方向から撮影したものです。溝からは弥生時代の土器や古墳時代の土師器、中世の火鉢などが出土しました。他の2本の溝の時期については、近世と考えられますがまだはっきりとわかっていません。
今年の夏も猛暑の日々が続いておりますが、掘り進める度に中世の人々の貴重な痕跡が少しずつみえてきて、努力が報われる思いがしています。少しでも今後の研究の為になるように、真摯に調査を行ない、皆様に成果を報告できればと思います。次回をお楽しみに。